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2023.04.13

京都国立博物館 『親鸞-生涯と名宝』

平成知新館と『親鸞-生涯と名宝』の看板

鑑賞に3時間余り費やすほどの充実ぶりでした。国宝『顕浄土真実教行証文類』(『教行信証』)の「坂東本」をはじめ、親鸞自筆のものも数多く展示されており、生涯を通じて教義と真摯に向き合い続けた姿勢の表れといえる細かな加筆修正や注釈、文字を解さない東国の市井の人に教えを説くためには、どのような言葉で伝えればいいのか心を砕いた様子に、襟を正す気持ちになりました。
親鸞の生涯を辿る上で必見の作品ばかりの中、個人的に印象深かったのは、作品番号42「本願寺親鸞聖人伝絵(康樂寺本)」、43「本願寺聖人親鸞伝絵(弘願本)」、64「拾遺古徳伝絵」の伝絵(でんね)3点と79「善鸞義絶状」です。前者には、親鸞が法然から『選択本願念仏集』の書写と真影(しんねい、※肖像のこと)の製作を許された場面が描かれており、師に認められた喜びが若き親鸞から伝わってくるようでした。後者は、誤った教えを是正するために東国に派遣した息子の善鸞が教えに背くような布教を行ったことから、親子の縁を切ると伝える書状(弟子・顕智の書写)です。齢80を超えての辛い出来事。親鸞の苦難に満ちた人生を象徴しており、そのときの心中は察するに余りあります。
『親鸞-生涯と名宝』は5/21(日)まで開催。朝日友の会会員証の提示で団体料金に割引になります(3人まで)。

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