スタッフブログ
コンサート
2024.09.30
9/23(月・祝)オーケストラ・アンサンブル金沢 大阪定期公演
公演パンフレット・チケットなど
アンコール曲
毎年大好評のオーケストラ・アンサンブル金沢の大阪定期公演。今年は2019年《ロン・ティボー》優勝及び3つの特別賞に輝いた新たな才能・三浦謙司をソリストに迎え、OEKパーマネント・コンダクター川瀬賢太郎の2人を中心に若き熱量あふれる指揮で聴衆を魅了しました。
サン=サーンス「死の舞踏」で妖しくも美しい調べで始まり、三浦さんを迎え、ラヴェル「ピアノ協奏曲」。三浦ワールド全開、唯一無二の世界観に引き込まれました。ソリストアンコールでは、ショパン:24の前奏曲より第15番「雨だれ」で異なる細やかな表現に魅せられました。
通常は休憩時間となる前半終了後に、川瀬さん三浦さんをはじめ楽団員がバケツを持って能登半島地震と豪雨災害の募金に客席をまわられました。アンサンブル金沢スタッフは実家が被災されたなど能登や輪島出身の方も多く、元々創設音楽監督を務めた岩城さんが阪神大震災で被災された際に行われたバケツ募金を受け継がれたとのことです。
ひと息ついて後半は、ブラームス「交響曲第2番」。のびやかな楽想と牧歌的な雰囲気にあふれたこの曲は、ベートーヴェンの交響曲第6番「田園」にちなんでブラームスの「田園交響曲」とも呼ばれる明るく輝かしい曲想に会場は大変な盛り上がりで、ブラボーの声が響きました。そして、公演の最終アンコールには川瀬さん明るい調と言われるニ長調の、ヤン・バン・デル・ロースト「カンタベリー・コラール」で締めくくられました。
避けようがない災害ではありますが、音楽を聴くことができる喜びと幸せに感謝し、できることで息の長い協力をとの思いを強くする公演でした。
2024.08.02
7/28(日)サマー・ポップス・コンサート
みなさま、猛暑の中ご来場いただきありがとうございました
サマー・ポップス・コンサートのプログラムは、元々はオーケストラ用でない曲が多いので、編曲も聴きどころの一つです。今年も、竹下清志さん、川上肇さん、三浦秀秋さん、三者三様のオシャレでスマートなアレンジが楽しめました。前半4曲目の「リベルタンゴ」は竹下清志さんの編曲。大人気曲なので、何度も演奏会で聴きましたが個性的なアレンジによって新たな魅力が加わり新鮮味がありました。前半6曲目は川上肇さん編曲の「オリーブの首飾り」。藤岡さんこだわりの速いテンポが心地よく恰好いい!後半ラストの「007メドレー」は三浦秀秋さん編曲。007シリーズを象徴するジェームス・ボンドのテーマから始まり、ロシアより愛をこめて、ゴールドフィンガーとムードのある曲に繋がり、またテーマに戻るという007のエッセンスが凝縮されたメドレーです。どの曲も待ってました!と言いたくなる名曲プログラム。銀幕のヒーロー、ヒロインたちに胸焦がれる、懐かしくもキュンとするコンサートでした。
2024.07.30
7/26(金)超絶のタイタニック
パイプオルガンの木枠に沿って走るプロジェクションマッピングがクールでした
パイプオルガンとプロジェクションマッピングの競演「超絶シリーズ」。大木麻理さんのオルガンに、加藤恭子さん、川瀬達也さんの打楽器、宮本“ブータン”知聡さんのドラムが加わって、スケールの大きな映画音楽が一層大迫力に!サンダーシートやサイレンなどバリエーション豊富な打楽器が効果的に活用され、奏者が4人とは思えないような多彩な音に包まれました。ザ・シンフォニーホールのスタッフさんの協力で、加藤さんが指を怪我しないようにサイレンに保護措置を施したり、より大きな音が出るように台を設置したりと、スタッフさんも含めて、みんなで一丸となって公演を作り上げていく様子が伝わりました。超絶シリーズ、楽しいです。おススメです!
2024.07.25
7/21(日)小林研一郎の「夏休み・名曲招待席」
マエストロと上野さんのトークも楽しかったです
丁度いいタイミングで、朝日新聞でコバケンさんの連載が掲載され、マエストロの多彩な音楽人生に想いを馳せながら演奏を堪能することができました。定番の交響詩『フィンランディア』に始まり、ブラームスのハンガリー舞曲。今年は超有名な第5番ではなく、第4番です。流浪の民ロマ族の哀愁漂う独特の旋律に引き込まれます。そしてブラームスの舞曲に影響を受けて作られたドヴォルザークのスラヴ舞曲第10番。中欧の奥深い森を連想させてくれる演奏は酷暑を束の間でも忘れさせてくれるようでした。
後半はドヴォルザークからバトンを受け、鉄道オタク繋がりの上野耕平さんが加わって、カルメン・ファンタジー。ソロ・アンコールはリムスキー=コルサコフ『熊蜂の飛行』。本当に熊蜂がクルクルブンブンと周囲を飛び回っているようで、思わず手で振り払ってしまいそうな臨場感がありました。すごいスピードで一体いつ息継ぎをしているのやら。マエストロも「あなたは天才」と言われていましたが、サクソフォンの概念を覆されるくらい厚みと奥行きのある音が素晴らしかったです。『ボレロ』では、ソプラノサックスで上野さんも加わり豪華な締めとなりました。
2024.07.16
小林研一郎さん連載「語る-人生の贈りもの-」
朝日新聞朝刊の文化面「語る-人生の贈りもの-」で指揮者の小林研一郎さんがこれまでの歩みについて語られています。独学で勉強し始めたピアノと作曲、恩師とのエピソード、学生時代の話、偶然と咄嗟の機転で乗り切ったブダペスト国際指揮者コンクール…どれも興味深いお話ばかり。偉大なマエストロでありながら、語り口は正直で優しく、等身大の親しみやすさがあり、コバケンさんのお人柄がにじみ出ています。次の週末はいよいよ小林研一郎の「夏休み・名曲招待席」。今年も炎のコバケンの健在ぶりを楽しみにしています!
2024.06.20
6/15(土)前橋汀子 ヴァイオリン名曲選
ホワイエではCD販売あり
CDジャケットの中にはマレーネ・ディートリッヒのような雰囲気あるお写真も!
エルガー『愛の挨拶』に始まり、ブラームスのヴァイオリン・ソナタ第1番『雨の歌』で前半終了。前橋さんの衣装は朱色に近い濃いオレンジ色でパッと目を引くのですが、前半が終わる頃には、演奏に引き込まれ衣装の印象が薄くなってしまうかのような感覚がありました。最近のレジャー施設は「没入感」をテーマに作られるものが増えているそうですが、素晴らしいホールで素晴らしい演奏を聴くと、仕掛けなどなくとも没入できます。前橋さんとマルディロシアンさんの息がピッタリと合っていて、マルディロシアンさんのリラックスした雰囲気はサロン・コンサートのような親しみやすさがありました。
後半は前橋さんとマルディロシアンさんの名コンビネーションにパイプオルガンの大木麻理さんが加わり、弦1+鍵盤2という珍しいトリオプレイを楽しむことができました。パイプオルガンの安定感のある心地良い響きをバックに前橋さんの緩急自在な演奏が一層引き立ちます。プログラムの順番を入れ替えて本編の最後に持ってこられたのは、『My Favorite Songsメドレー』。前橋さんお気に入りのクラシック以外の曲がメドレーで演奏され、抒情的な音色に心揺さぶる名曲の力を実感しました。
アンコールは何と5曲!ドヴォルザーク『我が母の教えたまいし歌』、スラヴ舞曲第10番、ブラームスのハンガリー舞曲第1番、第5番、シューベルト『アヴェ・マリア』。後半の鮮やかなショッキングピンクの衣装の記憶がかすむくらい充実したアンコールでした。
2024.04.26
3/30 荒庸子 チェロ・リサイタル2024
しなやかで、時に甘く、激しく、巧みに歌い分けるチェロの名手・荒庸子の大人気シリーズ「珠玉の名曲SELECTIONN」はなんと8回目。今回は「モリコーネに思いをよせて」というテーマで、イタリアの巨匠エンニオ・モリコーネの名曲を中心に、「あー、あの曲」と誰もが知る映画音楽の名曲たちが演奏されました。
「美女と野獣」「モダン・タイムス」「エデンの東」「ニューシネマ・パラダイス」「海の上のピアニスト」「マレーナ」etc・・・。名ピアニスト山田武彦とのペアリングで二つの楽器とは思えない深みと広がりのある演奏に、それぞれの映画の名シーンが目の前に広がるようで、映画好きにはたまらない映画世界にどっぷり浸ることができる時間となりました。
アンコールのピアソラ「リベル・タンゴ」では、独特のリズムと世界観に新たなチェロの魅力を感じました。
コロナ禍を経て、以前以上に生の演奏を聴くことができる幸せを感じることができるコンサートでした。
チケット・パンフレット
アンコール曲
2024.03.19
3/17(日)おいしいクラシック2024
チラシとプログラム
ABCアナウンサー浦川泰幸さん司会のおいしいクラシックも3年目。みなさまに期待していただける公演として浸透してきました。今年は3階までギッシリと客席が埋まり、たくさんのお客様にご来場いただきました。
おいしいクラシックのコンセプトは、誰もが聴き知っている名曲の数々をフルコース仕立てでお楽しみいただくこと。今年のプログラムも「天国と地獄」“カンカン”、「くるみ割り人形」“行進曲”、「真夏の夜の夢」“結婚行進曲”、トッカータとフーガなどなど、オールスター級の名曲が揃いました。
指揮は、若手のホープ、米田覚士さん。なんと!本公演がザ・シンフォニーホールでのデビューになるそうです。米田さんの躍動感溢れる指揮で、大阪交響楽団のみなさんの演奏も、「音を楽しむ」音楽そのものでした。ドルチェの「おもちゃの交響曲」では、小太鼓やラッパや水笛など、実際に子どもたちが使うようなおもちゃの楽器がオケの演奏と共演しました。前に出ておもちゃの楽器を演奏された団員のみなさんはとても緊張されていたそうです。普段は難しい演奏をこなす方々でも、いつもと勝手が違う楽器を持つとやはりドキドキするものなんですね。
浦川さんのMCもいつもながら自由自在で、奔放な司会に振り回されるような感覚が楽しかったです。浦川さん、ラベンダー色のシャツがとてもお似合いで素敵でしたよ!
ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」は月曜から木曜の15時からの放送です。
2024.02.29
2/16 オルガン名曲決定版2024
残響2秒というクラシック音楽に最適なザ・シンフォニーホール。ホール設置のスイス・クーン社製のオルガンもまさにホールの歴史とともに歩んできた名器。今回そのオルガンを弾きこなすのは、関西から世界に羽ばたいている冨田一樹。
「名曲決定版」というタイトルにふさわしくバッハ以前から近代まで幅広いレパートリーを展開されました。
パイプオルガンはなんと3000以上ものパイプと50にもおよぶストップを駆使して、一変幻自在な響きを実現されます。足鍵盤も駆使する演奏者にとってはなんとも目まぐるしいですが、観客にとっては響きに酔いしれる1時間でした。
個人的にはオルガンといえばという著名なバッハの重厚な曲というイメージを持っていたのですが、「ケルナー」「シャイデマン」などの作曲家を新たに知ることができ、それぞれのコミカルであったり、明るく朗らかな響きの曲を聴くことができたのは、新しい発見でした。
チケット・パンフレット
2024.02.16
2/11(土)イム・ユンチャン ピアノ・リサイタル
チラシとプログラム
ショパンのエチュード全曲演奏というプログラム。エチュードというと練習曲ですが、軽々と弾きこなす姿に、本当に練習しているところを見ているかのように錯覚しました。大国の思惑に翻弄されたポーランドという悲しい歴史を背負った国に生を受けたショパンの曲は、激しく繊細で深い想いに彩られています。まだ弱冠19歳のイム・ユンチャンが、そんな背景を持つ作品をなぜこんなにも自在に表現できるのかと不思議ですが、圧倒的な才能の前には、そんな先入観がそもそも無粋なのでしょう。鳴りやまぬスタンディング・オベーションにも、全く表情が変わらず、ややぎこちなささえ感じるような佇まいのイムさん。まだ世慣れない様子は、センセーショナルなデビューを果たしたときの藤井聡太さんを思い出し、一流の演奏とのギャップが微笑ましく感じられました。
アンコールはショパンのノクターン第20番『遺作』とベッリーニ(ショパン編曲)歌劇「ノルマ」より『清らかな女神よ』。『清らかな女神よ』は歌の方で耳慣れていたので、ピアノソロのバージョンが新鮮でした。
- 1 / 7
- »