スタッフブログ
コンサート
2023.02.07
2/4千住真理子スウィート・バレンタイン トーク&リサイタル

公演パンフレットとプログラム
世間にはチョコレートが溢れている2月4日、この時期のお楽しみ「千住真理子スウィート・バレンタイン トーク&リサイタル」が開催されました。2023年のテーマは「ポエム」。
千住さんの言葉を借りると、さまざまな名曲は各作曲家たちのポエム。演奏によって解き放たれ、観客が受け取り、自分たちなりのポエムを見つけてほしい、そんな気持ちの伝わるコンサートでした。
今回は兄・明氏の新曲『夜明けの詩(ポエム)』(和のテイストを感じる素敵なポエムでした)が披露され、『ロマンス』『シャコンヌ』『序奏とロンド・カプリチオーソ』『詩曲』『初恋』ほか千住さんが組み立てられたラインナップのさまざまなジャンルの演奏曲は、千住さん自身思い入れのあるものが多く、「ずっと大好きないくら演奏しても飽きない曲」などそれぞれにまつわるエピソードトトーク(バレンタインの思い出も含む)ももうひとつの楽しみです。
終演後にお客様から「ドラマティックでとても良かった」といううれしいお声をいただきました。
そんな感動をもたらす演奏を長く届け続けることができるのは、千住さんご自身が音楽に対して変わらぬ熱い感動と情熱を持ち続けておられるからでしょう。
バレンタインシーズンならではの格別な時間、まだ体験してない方はぜひ来年足をお運びください。
2023.01.19
1/7(土)21世紀の新世界
クラシックの殿堂もお正月らしい雰囲気です
年明け恒例の「21世紀の新世界」。今年は若き俊英、高木綾子さんのフルートからスタートです。モーツァルトらしい軽やかで煌びやかな『フルート協奏曲 第1番』からスタート。続くボルヌ『カルメン幻想曲』では高木さんのテクニックが炸裂しました。息継ぎの音までリアルに伝わってきて、臨場感溢れる超絶技巧の生演奏に背筋がゾクゾクするような感覚を味わいました。ソリストアンコールはドビュッシーの『シランクス(パンの笛)』。
後半は、ドヴォオルザークの交響曲第9番『新世界より』。瀬山さんの指揮はとてもキビキビしており、時折ロボットダンスのように見えることも。表現が明確なので、オケのみなさまも演奏しやすいのではないかと思いました。アンコールは、『ラデツキー行進曲』。
ウィーン在住の瀬山さんですが、お子様たちの乗ったエレベーターに向かって言った「待って~」は、立派なネイティブ大阪弁でした。豊中が生んだマエストロに、今年も一層の飛躍を期待したいです。
2023.01.17
1/6(金)ウィーン・フォルクスオーパー交響楽団 ニューイヤー・コンサート2023
フェスティバルホールのウィーンフォルクスオーパー交響楽団ニューイヤーコンサート2023を鑑賞しました。
コロナ禍の影響で待ちに待った開催です。
オーラ・ルードナーの軽快な指揮でオペレッタの傑作の数々、ワルツ、
圧巻のソプラノ・テノールの歌唱、エレガントな中にもコミカルな演出で楽しませてくれるバレエと、
ウィーンの魅力満載の公演でした。
夢のような2時間15曲終了後、ユーモアに包まれた日本語の挨拶ではなんと「3年ぶり」とのこと。
長い自粛生活とやっと戻りつつある状況を思い胸が熱くなりました。
感動の中でのアンコールは、汽笛や列車を思わせる演出が楽しい『観光列車』、
指揮者自らバイオリン片手に華麗な演奏と感動的な歌唱のオペレッタ『メリー・ウイドウ』
『ときめく心に唇は黙し』、観客が手拍子で参加する『ラデツキー行進曲』で最高に盛り上がりました。
宮中に招かれたように華やかで心が晴れやかになるニューイヤー・コンサート、
終わるのが残念な至福の時間でした。

公演パンフレット・プログラム・チケット
2023.01.10
12/24(土)藤岡幸夫のクリスマス・ファンタジア
ザ・シンフォニーホール開館40周年おめでとうございます!
クリスマス・ツリーは例年人気のフォトスポットです
恒例のアンダーソン『そりすべり』からスタートしたクリスマス・ファンタジア。続くレハールのワルツ『金と銀』もまた、藤岡さんのクリスマス公演では恒例の人気曲です。直接的なクリスマス曲ではありませんが、『金と銀』というタイトルがキラキラとしたクリスマスのイメージにぴったりマッチしています。シューベルト『アヴェエ・マリア』とJ.シュトラウスⅡの喜歌劇『こうもり』より”侯爵様、貴方のようなお方は”では、ソプラノの熊谷綾乃さんの透き通った歌声がザ・シンフォニーホール全体に見事に響き渡りました。
今回特に心に染み入ったのは、後半最初のドビュッシー『月の光』です。コントラバスのポロン、ポロン、という音が月の光を引き立たせる夜の帷を表しているようで、冷たく清澄な空気の中にそっと降り注ぐ月の光を瞼の裏に思い描くことができました。ラフマニノフ『鐘』、チャイコフスキー『花のワルツ』と続き、後半の最後はストラヴィンスキーの組曲『火の鳥』です。演奏前に藤岡さんの解説があり、追う王子とクルクルと逃げる火の鳥の姿をイメージしながら聴けて、コンサートでありながら、視覚的な刺激を得られたような満足感がありました。
2022.12.28
12/23クリスマス・オルガンコンサート2022
ロマン派作曲家ベリエのエネルギッシュな「トッカータニ短調」でスタート、続いて冨田さんもお好きだというパッヘルベルの「シャコンヌヘ短調P.43」。柔らかい響きが心地よく、隠れた名曲といわれていることに納得。続いては「アヴェ・マリア」「ピエ・イエズ」「オンブラ・マイ・フ」というよく知られた三曲でクリスマス気分が盛り上がります。
いよいよ後半はバッハの名曲を五曲。パイプオルガンの多様な音色の世界を堪能しました。
アンコールはパガニーニの作曲方式で作曲されたというコラール前奏曲「いと高きところには神にのみ栄光あれ」で締めくくり。クリスマスムードが盛り上がるギュッと詰め込まれたような濃密な時間でした。
日常から離れパイプオルガンの音色を満喫できる60分、お求め易い料金で足を運んでいただきやすい公演です。ぜひ一度足をお運びください。

チケット・パンフレット
2022.10.31
10/27(木) まるフェス 木管三重奏の夕べ

参加された皆様には可愛いコスモスのお花をプレゼント

左から福田淳さん、國府利支恵さん、蔭山晶子さん
今年の「まるフェス」コンサートは、Sion(オオサカ・シオン・ウインド・オーケストラ)からオーボエ:福田淳(ふくだきよし)さん、クラリネット:蔭山晶子(かげやまあきこ)さん、ファゴット:國府利支恵(こうとしえ)さんが来てくださいました。
プログラムはバッハ『シンフォニアより』、宮川成治『駅猫diary』、高橋宏樹『3つのわらべうた』、トマジ『田園のコンセール』など。以前、まるフェスコンサートで『春の海』を聴いたときにも思ったのですが、木管三重奏が醸し出す、木の温もりを感じられる音は、抒情的な曲調ととても相性が良く、心に沁みます。今回は誰もが知っている童謡『かごめかごめ』、『夕焼け小焼け』、『七つの子』が編曲された『3つのわらべうた』で、木管三重奏の趣が顕著に感じられました。
曲間のトークでは、曲想から浮かび上がる情景を想像しやすいような解説をしてくださいました。駅のプラットフォームを気ままにウロウロする猫やロールプレイングゲームの画面などを頭に思い浮かべながら鑑賞できるのも、家庭的な「まるフェスコンサート」のいいところです。
2022.10.25
10/16(日)及川浩治ピアノ・リサイタル「名曲の花束」

公演チラシとプログラム
今年の「名曲の花束」は、ロマン派の曲を集めた、「ガラ・コンサートのピアノ版」がコンセプト。歌曲やオーケストラ曲なども含むバラエティに富んだロマン派の名曲をピアノだけで表現するという試みです。1曲目『トロイメライ』の後にトーク。愛や癒しを表現する6度の音程に注意して聴いてみてください。例えば、『愛の夢』。タ~ラ~ン。プログラムは進み、荒々しい『荒野の狩』、これまた激しい『死の舞踏』で前半が終わ…あれ?一旦舞台袖にはけた及川さんが戻って来られて、「すみません。『愛の夢』を飛ばしてしまいました。」予定されていたプログラムでは『荒野の狩』と『死の舞踏』の間に『愛の夢』があったのですが、トークの際にワンフレーズ弾いたことにより、及川さんの中で『愛の夢』が終わったという感覚が残ったのでしょうか。これが飛んでしまったのです。でもすぐに切り替えて、場内は甘美なメロディーに包まれました。こんなちょっとしたハプニングはあったものの、ピアノが持つ多彩で奥深い表現力と「ピアノの魔術師」リストのとてつもない才能を実感できた充実したコンサートでした。アンコールはショパン『別れのワルツ』とノクターン第20番『遺作』。
公演終了後の及川さんの指には、なんと絆創膏が!トゥルルルルンッと指を滑らせるグリッサンドの時に怪我をされたそうです。「大丈夫、ピアノに血はつけませんでした。」なんておっしゃっていましたが、いやいや、ピアノも大事ですが、御身はもっと大事ですよ。
2022.09.27
9/23(金・祝)オーケストラ・アンサンブル金沢 大阪定期公演
今年のアンサンブル金沢大阪定期公演は、9月よりアーティスティック・リーダーに就任された広上淳一さんが指揮、毎年楽しみなソリストは、人気・実力ともに日本を代表する神尾真由子さんという豪華な顔合わせとなりました。
第1部は民族的作品の部というべきラインナップ。哀愁を帯びた導入からハンガリー的な要素を色濃く残したコダーイ「ガランタ舞曲」でスタートし、続くタンゴの革命児ピアソラの「ブエノスアイレスの四季」では神尾さんのすばらしい技巧が遺憾なく発揮され、感嘆しました。ソリストアンコールの「パガニーニ『24のカプリース』より第5番」では、さらなる超絶技巧に感嘆・感動が深まりました。
第2部は、ベートーヴェンがナポレオンに捧げるために書き上げた大作「英雄交響曲」。革命的で雄大な、言わずと知れた古典の王道曲です。アンコールは「ビゼー『アルルの女』」。卓越した音楽性とユニークな力強い指揮で知られるマエストロ広上さんとアンサンブル金沢の創り出す濃密な演奏に時間を忘れて引き込まれ、別世界にループしたような感覚で音楽の醍醐味を存分に味わう演奏会となりました。

チケット・プログラム・パンフレット
2022.08.05
7/31(日)サマー・ポップス・コンサート
猛暑?酷暑?とにかく厳しい暑さの中、ザ・シンフォニーホールでは満員のお客様が来場され、「サマー・ポップス・コンサート」が開催されました。
恒例の『ラ・クンパルシータ』に始まり、前半はポール・モーリア特集。「ひきしお」「エーゲ海の真珠」「オリーブの首飾り」「恋は水色」と美しく懐かしい曲に続き、名作映画「ひまわり」の映像が浮かぶ壮大なテーマ曲に続き、カラオケの十八番という方も多いのではという「マイウェイ」で大きな盛り上がりで前半は終了しました。
後半は、リズミカルな映画音楽「ミッション・インポッシブル」「007メドレー」に「ルパン三世のテーマ」が続き、ここでクラシック曲、エルガー『「エニグマ変奏曲」より“ニムロット”』、最後は盛大な盛り上がりの「宇宙戦艦ヤマト」で締めくくられました。そして本当の最後の曲はアンコール、毎回お馴染みのノリの良い「キャリオカ」。指揮者藤岡幸夫さんが何度も口にされましたが、クラシックを好きになってほしいという願いの元に始められたという「サマー・ポップス・コンサート」もなんと21回目。安心感のあるお馴染みの曲と新しい曲がいい具合に交じり合う熱量の高い楽しいコンサートとなりました。
このコンサートは毎回朝日放送のアナウンサーが司会をされます。それぞれの個性と藤岡さんの会話と雰囲気が毎回個人的な楽しみのひとつになっています。今回は朝夕の情報番組に出演されご存知の方も多い斎藤真美さんが担当されました。藤岡さんと以前からの馴染みのような息の合ったテンポの良い会話に、さすがと感心しました。来年の司会はどなたかな、どのような会話と雰囲気かな、私のもうひとつの楽しみです。

公演チラシとプログラム
2022.07.29
7/24(日)小林研一郎の「夏休み・名曲招待席」
3階席までびっしりと埋まったザ・シンフォニーホールの客席は、コロナ禍以降、久しぶりに見た光景でした。そのたくさんのお客様の期待に応えるパワフルな公演は、お馴染みシベリウスの交響詩「フィンランディア」から始まります。現在世界で起こっていることを踏まえたマエストロの解説。10分弱の旋律の中に、激しい攻撃を受け、打ちひしがれ、それでもまた力強く立ち上がる民衆の姿が描かれます。全く見事としか言いようのない構成が、深い陰影をもつ演奏から鮮やかに浮かび上がり、感動を覚えました。
ソリストは遠藤真理さん。藝大時代には、マエストロの授業を受けられたこともあるそうです。チェロ特有の落ち着いた音色が深く心地よくザ・シンフォニーホールいっぱいに響きました。最後は、ラヴェルの「ボレロ」。いつ聴いても、何度聴いても、どこで聴いても、血がたぎります。
お客様の盛大な拍手からは、マエストロとオケへの敬意と親しみと名残惜しい気持ちが、渾然一体となって伝わってくるようでした。

公演チラシとプログラム
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