朝日友の会(アサヒメイト)は株式会社ASCが運営しています。

スタッフブログ

美術館・博物館

2025.06.18

京都文化博物館 『和食』

最初に蟹を食べた人の
チャレンジ精神に乾杯

親分、のんびりそばなんか
食ってる場合じゃありやせんぜ

卑弥呼の食卓再現

1章「『和食』とは?」に始まり、2章「列島が育む食材」、3章「和食の真善美」、4章「和食の成り立ち」、5章「わたしの和食」、6章「和食のこれから」まで。多彩な食材の紹介、歴史を彩ったお料理の再現、道具、日本で独自に育まれたラーメンやカレーなど、多角的な視点で和食について考えることができました。特に2章と3章はどれだけ時間があっても足りないと思うくらい興味が尽きませんでした。いくつかピックアップしますと、まずは水。日本はほとんどの地域が軟水です。平地が少なく山から海へ急な勾配を流れていくから土中のミネラルが水に溶けにくい。なるほどなるほど。そして軟水だから出汁が決め手!になっていくのか。
3章では江戸時代の屋台の再現が。子どもの頃によくみた時代劇ドラマを思い出して、「親分、てぇへんだ!」なんて時代劇ごっこをしたくなります。様々な時代の食事の再現模型は秀逸でした。豪華な足利将軍御膳は京都会場のオリジナル企画。シンプルな庶民の食事も。もし前世があれば、私はこっちだな。
日本列島は世界でも有数の生物の多様性をもつ地域だとか。改めて海の幸にも山の幸にも恵まれた豊かな環境に感謝の気持ちが湧いた展覧会でした。
『和食』は7/6(日)まで開催。朝日友の会会員証の提示で団体料金に割引になります(6人)。

2025.05.20

髙島屋大阪店 『映画ドラえもんの世界展』

「雲ロボット」カワイイ!

フォトスポットやクイズラリーなど大人も子どもも楽しめます

45年間44作品の映画ドラえもんをズラリと並べると、改めてその自由自在な世界観に驚かされます。陸の冒険に始まり、空、海、異世界、宇宙、ファンタジーという6つのステージに分けて、ドラえもんとのび太たちの冒険を振り返っていきます。各ステージには、あべこべクリームやスモールライトなどお馴染みの道具の展示や、映画のキャラクターと一緒に写真を撮れるフォトスポットもあります。映画ドラえもんの舞台は現在も過去も未来も、日本も南極も宇宙も、深海も大空も、果ては魔界まで。ドラえもんと一緒に行く冒険の世界に時間や距離の制限はありません。当然、行先で出会う相手には人間はもちろんのこと、恐竜も宇宙人も精霊もいます。初対面の未知の相手と友情を育み、協力して難事に立ち向かっていくのが映画ドラえもんの醍醐味です。「どんな困難でもみんなで知恵を絞り、力を合わせれば、必ず活路は開けるよ。」大人たちから子どもたちに伝えたいそんなメッセージが込められているように感じました。
『映画ドラえもんの世界展』は5/29(木)まで開催。朝日友の会会員証の提示で無料になります(1人)。

2025.04.24

奈良国立博物館 『超 国宝-祈りのかがやき-』

すみっコぐらしがすみっコから前に出てきてくれています!

撮らずにはいられないかわいい鹿さん

今春の目玉美術展、「超 国宝-祈りのかがやき-」を鑑賞してきました。古墳時代の七支刀から飛鳥、奈良、平安、鎌倉、室町…時代を超えた、国の宝に相応しい作品群は圧巻でした。偶像崇拝は多くの宗教で禁じられていますが、偶像そのものを崇めているのかどうかはともかく、偶像が自分たちを見守ってくれている、人々の心の拠り所として機能してきたことは紛れもない事実だと思います。天災、飢饉、疫病など、思うままにならない困難の中、いつでも変わらぬ姿でいてくれる対象だからこそ、心が安らぎ祈りを捧げられる。そんなことを感じた展覧会でした。
さて、国宝に対して畏れ多いことならが、それでもやっぱりお気に入りを挙げさせていただきます。今回は、作品番号81「十一面観音像」です。鮮やかな彩色や截金が美しい作品ですが、特に気に入ったのは、少し右斜め下を向くお姿です。見透かされる緊張から解き放たれて、僅かな隙を垣間見るような高揚感を覚えました。
『超 国宝-祈りのかがやき-』は6/15(日)まで開催。朝日友の会会員証の提示で半額になります(一般1人)。

2025.04.08

春爛漫

フェスティバルタワー北側の桜

朝日友の会の事務局が入っている中之島フェスティバルタワーの前にある桜が綺麗に咲いています。
温かさと寒さが行きつ戻りつしましたが、いよいよ春らしくなってきました。
途端に今までのおこもり気分はどこへやら、外に出たい気持ちがムクムクと湧き上がってきます。

私と同じように外出気分が盛り上がっている会員様、アサヒメイト4月号でもお知らせしておりますが、4月は注目の美術展が目白押しです。
①「奈良国立博物館『超 国宝』」4/19~6/15 ※一般料金を半額に割引(1人のみ)
②「京都国立博物館『日本、美のるつぼ』」4/19~6/15 ※団体料金に割引(3人まで)
③「京都市京セラ美術館 新館 東山キューブ『草間彌生 版画の世界ー反復と増殖ー』」4/25~9/7 ※団体料金に割引(5人まで)
④「京都文化博物館『和食』」4/26~7/6 ※団体料金に割引(6人まで)
⑤「中之島香雪美術館『すべてを描く萬(よろず)絵師 暁斎』」4/26~6/1 ※団体料金に割引(2人まで)
⑥「泉屋博古館『帰ってきた泉屋博古館 いにしえの至宝たち』」4/26~6/8 ※団体料金に割引(2人まで)
⑦「京都高島屋S.C.『第54回 日本伝統工芸近畿展』」4/9~14 ※無料(1人のみ)
加えて春秋恒例の「京都非公開文化財特別公開」も開催されます。この機会に美術を堪能されてはいかがでしょうか。
詳しくは、アサヒメイト4月号またはwww.asahimate-osaka.com/special/artlist/でご確認ください。

2025.02.28

中之島香雪美術館「20世紀美術の巨匠たち♡」

中之島香雪美術館で開催されている「大原美術館所蔵 20世紀美術の巨匠たち♡」に行ってきました。
なにより嬉しかったのが、マーク・ロスコの作品を見れたことでした。
マーク・ロスコの別の作品が、高村薫さんの小説「太陽を曳く馬」の作中に登場し
本の装丁にも使われています。
高村さんがインタビューで「ロスコの絵の前で立ちすくむような感慨を覚えた」と言われていたので
一度見てみたいと思っていました。
今回の展覧会では「無題(緑の上の緑)」が展示されています。
私は緑というより青に近いと思いましたが、絵に吸い込まれていくような
表現できない迫力を感じながら心は静まっていくような…。
何とも心地よく、2回、3回と作品の前に戻り、堪能しました。
同じ空間には香雪美術館所蔵の「薬師如来立像」も展示されていて
心静まる落ち着いた空間が広がっていました。
入ってすぐのラックに、出品リストと共に「ここに注目」というチラシが置いてあり
館長さんや学芸部長さん、受付スタッフの方の「イチオシ!」の作品を解説してあるので面白くてお勧めです。
展覧会は4月6日(日)まで。朝日友の会会員証提示で一般のみ2人まで団体料金になります。

2025.01.22

兵庫県立美術館「1995-2025 30年目のわたしたち」

年明けから連日のように報道されていた「阪神・淡路大震災」。1995年1月17日、目覚める前の街を襲った悲劇から30年が経ちました。被災した兵庫県立近代美術館を引き継いで誕生した兵庫県立美術館では、この節目に、6組7人のアーティストによる特別展を開催しています。
アニメーションを用いたインスタレーション作品で知られる束芋さんは、当時まだ学生で、神戸市内の実家で震災を体験しました。実家をモデルにした作品「神戸の家」では、スクリーンに赤い屋根の一軒家が描かれ、雲とともに不穏な空気が流れます。画面がグラグラと揺れ、大きな手が屋根を外すと部屋やキッチンなどの空間が現れて、家の中を2本の指が歩き回る…。不気味なシチュエーションに心がざわめき、それでも目を離さずにはいられません。
明石市出身の写真家・米田知子さんは、遠い異国の地で故郷が大地震に見舞われたことを知ります。テレビに映し出される映像にショックを受けながら、3月に一時帰国して被災地を撮影。モノクロの写真には、傾いた市役所や工場跡に散乱した靴底、傷ついたレコード盤などが写し出されています。そして30年の節目を前に、震災の日に生まれた人物を撮影しました。カラー写真で正面を向いた人物からのメッセージはありませんが、表情から意志の強さが伺えます。彼らのまなざしこそが、米田さんが伝えたかった明日への希望であり、いまも混沌としている社会に注ぐ一筋の光なのだと感じました。
展覧会は3月9日(日)まで。朝日友の会会員証提示で2人まで団体料金割引になります。

2024.10.11

大阪中之島美術館「塩田千春 つながる私(アイ)」

ドイツ・ベルリンを拠点に活躍する大阪出身の現代美術家、塩田千春さん。大阪中之島美術館で、大規模な個展が開催されています。私も秋晴れの日に行ってきました。
館内のエスカレーターを上がってすぐ目に飛び込んできたのは、天井から降り注ぐ赤い糸と巨大なドレス。第二次世界大戦時、オーストリアの強制収容所にいた囚人と職員の絆がモチーフになっているそうです。この作品の中を通って展示室へ向かうのですが、ふと見上げると、びっしりと網目模様が広がっていました。作品全体が緻密に計算され、編み込まれていることに驚き、制作過程を知りたくてうずうずしてしまいました。
海外に暮らし、闘病を経験し、作品を通じて「生きることとは」「存在とは」と問い続けている塩田さん。赤い糸が表すのは血管であり、人と人を結びつける見えない糸なのだとか。スライドショーでは、彼女が作品を生み出すまでの心の葛藤や強い想いを伺い知ることができます。
そして会場の中心にあったのは、大作「つながる輪」。今年の夏、「つながり」をテーマに広くエピソードを募集して、集まった1500枚以上の紙が赤い糸で編み込まれ、大きな輪のように宙に浮かんでいます。のぞき込むと、大切な家族や友人へのメッセージが綴られていました。
私たちは社会や家庭の中で、さまざまな人とつながりを持って生きています。コロナ禍での行動制限を経てふたたび時間が動き出したいまだからこそ、塩田さんの作品と対峙することで、心の深淵から込み上げてくるものがありました。展覧会は12月1日(日)まで。朝日友の会会員証提示で一般のみ3人まで団体料金割引になります。

1500以上のメッセージが宙に浮く「つながる輪」

2024.09.20

神戸市立博物館「デ・キリコ 展」

神戸市立博物館で開催中の「デ・キリコ展」。デ・キリコといえば、ダリやマグリット、シュルレアリスムの画家に影響を与えた20世紀美術の巨匠です。ただ、その作品は「不可解」「奇妙」「謎」などの言葉で表され、他の画家と一線を画しています。今回の展覧会はデ・キリコの画家人生をたどるもので、私も謎が解けるのか期待しながら出かけました。
会場に入ってすぐ、デ・キリコの代名詞とも言える「バラ色のイタリア広場」が目に入ります。ある秋の日の昼下がり、イタリア・フィレンツェの広場にいたデ・キリコ は、見慣れたはずの風景が初めて見るような感覚に陥ったそうです。これが「形而上(けいじじょう)絵画」制作のきっかけでした。大胆かつ遠近感のない構図、人影はないけれど何かの視線を感じて心が落ち着かない…。そこには非日常の世界が広がっています。
ニーチェの哲学を愛し、戦争を経験し、何度も住まいを変えたデ・キリコ。「イタリア広場」「マヌカン」シリーズの形而上絵画で世間から高い評価を得ますが、その後、ベラスケスやティツァーノの作品に感銘を受け、古典的な絵画を描くようになります(ダリや画家仲間から批判を受けることに)。晩年にはまた形而上絵画に戻りますが、作風は一変し、太陽や月などをモチーフとした明るいポップ調のものになりました。部屋の中に出現した海でボートを漕ぐギリシャ神話の英雄はデ・キリコ自身? それとも?
悩む私たちを眺めながら、デ・キリコはしてやったりとほくそ笑んでいるのかもしれません。謎を解く鍵を探すよりも、それぞれの解釈でデ・キリコの世界を楽しむのが一番だと感じました。ぜひ、会員の皆さんも足を運んでみてください。
展覧会は12月8日(日)まで。朝日友の会会員証提示で5人まで団体料金割引になります。

2024.08.23

髙島屋大阪店 『発掘 恐竜王国展』

フクイベナートルの生態復元ロボット

フクイベナートル・パラドクサスの骨格

福井県の公式恐竜キャラクター、ラプトとサウタンとティッチーが案内してくれました。恐竜がいた時代は、さんじょうき、じゅらき、はくあき。さんじょうき、じゅらき、はくあき。早口言葉で覚えましょう。まずゾーン1は「世界の恐竜王国」。ティラノサウルス(幼体)の生態復元ロボットが展示されていました。リアルな質感で鳴き声をあげながら動いており迫力満点。見学している子どもたちも大喜びです。動くといっても足は固定されているので、子どもに危害を加えることはもちろんありません。じっと見つめていると見つめ返してくれました。ゾーン2は「日本の恐竜王国FUKUI」。福井県勝山市にある、恐竜の化石が多数発見されている”ボーンベッド”などを紹介。福井県で発掘された「フクイベナートル」のロボット展示も。フクイベナートルは獣脚類に分類され、鋭いカギ爪が特徴です。顔や足以外は体毛に覆われていて前足?腕?の後ろには羽があります。しっぽはシマシマ。このフクイベナートルが今回のお気に入り。華やかでビジュアル系恐竜といった趣です。ゾーン3は「いざ発掘に挑戦!」。発掘作業をバーチャル体験できます。子どもたちが並んでいたので、私は遠慮しました。ゾーン4は「福井の恐竜たち」。福井県で発掘されたフクイラプトルやフクイサウルスの全身骨格が展示されていました。発掘作業について学んだ後なので、あの地道な作業で発掘されたのかと思うと一層感慨深いものがあります。最後はゾーン5、「恐竜博物館出張所」。昨年7月にリニューアルされた勝山市の恐竜博物館のご案内です。まだ行ったことがないので、是非行ってみたい!
『発掘 恐竜王国展』は9/2(月)まで開催。朝日友の会会員証の提示で無料になります(1人)。

2024.08.20

秋の信州旅におすすめ!「諏訪市原田泰治美術館」

残暑厳しい日々ですが、処暑(暑さの終わり)が近づいて、わが家の周りでも秋の虫が鳴きはじめています。季節はゆっくりと進んでいるんですね。
さて、紅葉シーズンに向けて、旅行の計画を立てていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?朝日友の会では、長野県にある諏訪市原田泰治美術館と新規提携をしました。日本の原風景と人々を描いた「素朴画」で人気の原田泰治さん。その貴重な原画がテーマに合わせて展示されています。館内はバリアフリー設計で歩きやすく、ティールームからは美しい諏訪湖の景色を一望できます。朝日友の会会員は入館料が5人まで団体料金となり、ポストカードのプレゼントもあります(詳しくはアサヒメイト9月号とホームページをご覧ください)。
関西からの交通アクセスは、JR名古屋駅から特急しなのを利用し、塩尻駅乗り換えで上諏訪駅へ。駅からはバスかタクシーが便利です。塩尻駅からレンタカーもおすすめですよ。ぜひ、秋の信州旅のルートに加えてください。

原田泰治美術館

湖畔にたたずむ諏訪市原田泰治美術館

原田泰治美術館

ティールームからは諏訪湖の絶景を楽しめる

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