朝日友の会(アサヒメイト)は株式会社朝日販売サービスセンターが運営しています。

スタッフブログ

コンサート

2023.09.26

9/23(土・祝)オーケストラ・アンサンブル金沢 大阪定期公演

今年、設立35周年を迎えたオーケストラ・アンサンブル金沢の大阪定期公演は、芸術とエンターテイメントが融合した、とても楽しいものでした。ゲネプロのときからアットホームな和気藹々とした雰囲気。とは言え、ひとたびマエストロが指揮棒を上げると、1秒前までザ・シンフォニーホールに響いていた楽し気な笑い声がピタッと止まり息の合った音色が奏でられます。
前半は、第67回ミュンヘン国際音楽コンクールにピアノ三重奏部門で優勝した葵トリオとの共演。所々にベートーヴェンらしい表現が散りばめられた曲で、それぞれの音が主張しながらも調和する様が美しい。前半アンコールは、葵トリオによるベートーヴェン「ピアノ三重奏曲第4番変ロ長調op.11より第3楽章」と、18年振りの阪神タイガースリーグ優勝を祝して、OEKオリジナルの「六甲おろし」!コンマスのアビゲイル・ヤングさんのソロから入る「六甲おろし」は、何とも芸術的ながら大迫力で血がたぎりました。まさか1714年作ストラディバリウスの名器「ラング」から「六甲おろし」が奏でられるとは!!ストラディバリウス自身も思いもつかなかったことでしょう。
後半は、ビゼー(シチェドリン編)「カルメン組曲」。華麗に舞うプリセツカヤを想像しながら聴きました。後半アンコールはウィリアム・J・シンスタイン「ロックトラップ」とカルメン組曲の中でも特に有名な「闘牛士」。「ロックトラップ」は4人が自らの身体を使い、ボディ・パーカッションを奏でます。タップダンスにも通じる軽やかな動きとリズムが目と耳に心地よく響きました。

読み応えのあるOEKのプログラム

バラエティに富んだアンコール

2023.08.03

7/30(日)サマー・ポップス・コンサート

ポップスをオーケストラで贅沢にお楽しみいただけます!!

今年もこの季節がやってきました。
ザ・シンフォニーホールでは厳しい暑さに負けない「サマー・ポップス・コンサート」が開催されました。
恒例の『ラ・クンパルシータ』に始まり、前半は遠い記憶を呼び覚ます名作映画のテーマ「男と女」「カサブランカ」「ニュー・シネマ・パラダイス」がきらめき、続いて夏の“鉄板”ポール・モーリアで盛り上がりました。
後半は、比較的新しい映画音楽「パイレーツ・オブ・カリビアン メドレー」「バック・ドラフトより“Show Me Your Firetruck”」で映像が浮かような演奏、趣きを変えてディズニーの人気作「アラジンより“ホール・ニュー・ワールド”」「アナと雪の女王メドレー」、必ず演奏されるクラシック曲 マスカーニ「歌劇『カヴァレリア・ルスティカーナ』間奏曲」をはさみ、また映画音楽に戻りまして、取り上げられることが少ない「インディ・ジョーンズ」より“レイダース・マーチ”、「スター・ウォーズ」より“ヨーダのテーマ”“メイン・タイトル”で映画さながらの盛り上がりで演奏プログラムは終了しました。アンコールはこちらも毎年恒例「ルンバ・キャリオカ」で大盛況のうちに終了しました。
「サマー・ポップス・コンサート」は指揮者・藤岡さんの歯切れの良いトークも楽しみのひとつです。
今回は俳優ハリソン・フォードが大工から奇遇なめぐりあわせで「スター・ウォーズ」に出演することになったという話が最も印象的でした。今回の司会は公私ともにお笑い好きな朝日放送テレビ・塚本麻里衣アナウンサー。
「サマー・ポップス・コンサート」の司会は初めてとのことでしたが、藤岡さんとはテンポの良いトークでリズム感のある進行をしていただきました。
また、来年が楽しみです。

2023.07.28

7/23(日)小林研一郎の「夏休み・名曲招待席」

アンコールは管楽器やヴァイオリンの皆さんは立ち上がっての演奏!
大盛り上がりでした。

勇壮な全力疾走曲、グリンカの歌劇「ルスランとリュミドラ」序曲からスタートした「夏休み・名曲招待席」。ドヴォルザーク『ユーモレスク』、アイルランド民謡『ダニーボーイ』と続き、しっとりとした演奏に暑さを忘れかけたところで、ブラームス『ハンガリー舞曲第5番』で盛り上がり、また涼やかなスメタナ『モルダウ』で前半が終了。
後半はHIMARIさんのブルッフ『ヴァイオリン協奏曲第1番より第1楽章』とマスネ『タイスの瞑想曲』。ピンクのリボン🎀が良く似合う愛らしい姿からは想像もできないような演奏でした。抒情的な旋律もドラマティックな表現も難なくこなす堂々たるヴァイオリニストに、余計な修辞は不要でしょう。ただ「ブラボー」を贈りたいと思います。
最後は恒例のラヴェル『ボレロ』。
リハーサルでは、「立ち上がって吹くような気持で」、「〇〇さんの素敵な音に隠れてしまわないように」、「もっとセクシーに」などなど、わかりやすい表現でオケのみなさんを鼓舞するマエストロ。その指示を受けた後は、より一層「音が立って」聞こえます。オケの潜在力を引き出すマエストロも、マエストロの期待に見事に応えるオケのみなさんも本当に素晴らしい。コバケンさんの演奏はコントラストが鮮やかで、純粋に聴いていて楽しいと感じられます。あー今年も楽しかった。来年も期待しています!!

2023.06.27

6/24(土)前橋汀子 ヴァイオリン名曲選

左:チラシとプログラム(一部)、右:アンコール曲

数年振りにブースで新規入会を受け付けしました

今年のヴァイオリン名曲選は、前半はガツン!とベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ2曲。美しく洗練された第5番『春』と前橋さん自らが「思い入れが強い」と発言されている第7番『アレキサンダー』です。客席全体を前のめりに引き込むかのような渾身の演奏でした。
後半は『亜麻色の髪の乙女』、『ラ・カンパネラ』、『ハンガリー舞曲 第5番』など、馴染み深い小品が多彩な音色で紡がれました。
個人的にはドヴォルザーク(クライスラー編)の『ユーモレスク』からドビュッシー(ハイフェッツ編)『美しき夕暮れ』の流れにしびれました。というのも、『ユーモレスク』に、小学生の子どもたちが下校するときの音楽というイメージをいだいているからです。軽やかに楽し気に遊んでいる子どもたち。下校のチャイムを聞いて名残惜しく寂しい気持ちになり、それでも最後には、明るく「また明日遊ぼうね」と言って、バイバイと手を振りながら帰っていく様子。そんな光景が『ユーモレスク』から想い浮かびます。『ユーモレスク』~『美しき夕暮れ』というプログラムはイメージ通りで、思わず「そう、それそれ」と言いたくなる構成でした。
アンコールはマスネ『タイスの瞑想曲』、エルガー『愛の挨拶』、サラサーテ『ツィゴイネルワイゼン』、サン=サーンス『序奏とロンド・カプリチオーソ』。豪華なアンコールにお客様は大喜び。万雷のスタンディング・オベーションと「ブラボー」が、前橋さんとマルディロシアンさんに贈られました。

2023.02.07

2/4千住真理子スウィート・バレンタイン トーク&リサイタル

公演パンフレットとプログラム

世間にはチョコレートが溢れている2月4日、この時期のお楽しみ「千住真理子スウィート・バレンタイン トーク&リサイタル」が開催されました。2023年のテーマは「ポエム」。
千住さんの言葉を借りると、さまざまな名曲は各作曲家たちのポエム。演奏によって解き放たれ、観客が受け取り、自分たちなりのポエムを見つけてほしい、そんな気持ちの伝わるコンサートでした。
 今回は兄・明氏の新曲『夜明けの詩(ポエム)』(和のテイストを感じる素敵なポエムでした)が披露され、『ロマンス』『シャコンヌ』『序奏とロンド・カプリチオーソ』『詩曲』『初恋』ほか千住さんが組み立てられたラインナップのさまざまなジャンルの演奏曲は、千住さん自身思い入れのあるものが多く、「ずっと大好きないくら演奏しても飽きない曲」などそれぞれにまつわるエピソードトトーク(バレンタインの思い出も含む)ももうひとつの楽しみです。
終演後にお客様から「ドラマティックでとても良かった」といううれしいお声をいただきました。
そんな感動をもたらす演奏を長く届け続けることができるのは、千住さんご自身が音楽に対して変わらぬ熱い感動と情熱を持ち続けておられるからでしょう。
バレンタインシーズンならではの格別な時間、まだ体験してない方はぜひ来年足をお運びください。

2023.01.19

1/7(土)21世紀の新世界

クラシックの殿堂もお正月らしい雰囲気です

年明け恒例の「21世紀の新世界」。今年は若き俊英、高木綾子さんのフルートからスタートです。モーツァルトらしい軽やかで煌びやかな『フルート協奏曲 第1番』からスタート。続くボルヌ『カルメン幻想曲』では高木さんのテクニックが炸裂しました。息継ぎの音までリアルに伝わってきて、臨場感溢れる超絶技巧の生演奏に背筋がゾクゾクするような感覚を味わいました。ソリストアンコールはドビュッシーの『シランクス(パンの笛)』。
後半は、ドヴォオルザークの交響曲第9番『新世界より』。瀬山さんの指揮はとてもキビキビしており、時折ロボットダンスのように見えることも。表現が明確なので、オケのみなさまも演奏しやすいのではないかと思いました。アンコールは、『ラデツキー行進曲』。
ウィーン在住の瀬山さんですが、お子様たちの乗ったエレベーターに向かって言った「待って~」は、立派なネイティブ大阪弁でした。豊中が生んだマエストロに、今年も一層の飛躍を期待したいです。

2023.01.17

1/6(金)ウィーン・フォルクスオーパー交響楽団 ニューイヤー・コンサート2023

フェスティバルホールのウィーンフォルクスオーパー交響楽団ニューイヤーコンサート2023を鑑賞しました。
コロナ禍の影響で待ちに待った開催です。
オーラ・ルードナーの軽快な指揮でオペレッタの傑作の数々、ワルツ、
圧巻のソプラノ・テノールの歌唱、エレガントな中にもコミカルな演出で楽しませてくれるバレエと、
ウィーンの魅力満載の公演でした。
夢のような2時間15曲終了後、ユーモアに包まれた日本語の挨拶ではなんと「3年ぶり」とのこと。
長い自粛生活とやっと戻りつつある状況を思い胸が熱くなりました。
感動の中でのアンコールは、汽笛や列車を思わせる演出が楽しい『観光列車』、
指揮者自らバイオリン片手に華麗な演奏と感動的な歌唱のオペレッタ『メリー・ウイドウ』
『ときめく心に唇は黙し』、観客が手拍子で参加する『ラデツキー行進曲』で最高に盛り上がりました。
宮中に招かれたように華やかで心が晴れやかになるニューイヤー・コンサート、
終わるのが残念な至福の時間でした。

公演パンフレット・プログラム・チケット

2023.01.10

12/24(土)藤岡幸夫のクリスマス・ファンタジア

ザ・シンフォニーホール開館40周年おめでとうございます!

クリスマス・ツリーは例年人気のフォトスポットです

恒例のアンダーソン『そりすべり』からスタートしたクリスマス・ファンタジア。続くレハールのワルツ『金と銀』もまた、藤岡さんのクリスマス公演では恒例の人気曲です。直接的なクリスマス曲ではありませんが、『金と銀』というタイトルがキラキラとしたクリスマスのイメージにぴったりマッチしています。シューベルト『アヴェエ・マリア』とJ.シュトラウスⅡの喜歌劇『こうもり』より”侯爵様、貴方のようなお方は”では、ソプラノの熊谷綾乃さんの透き通った歌声がザ・シンフォニーホール全体に見事に響き渡りました。
今回特に心に染み入ったのは、後半最初のドビュッシー『月の光』です。コントラバスのポロン、ポロン、という音が月の光を引き立たせる夜の帷を表しているようで、冷たく清澄な空気の中にそっと降り注ぐ月の光を瞼の裏に思い描くことができました。ラフマニノフ『鐘』、チャイコフスキー『花のワルツ』と続き、後半の最後はストラヴィンスキーの組曲『火の鳥』です。演奏前に藤岡さんの解説があり、追う王子とクルクルと逃げる火の鳥の姿をイメージしながら聴けて、コンサートでありながら、視覚的な刺激を得られたような満足感がありました。

2022.12.28

12/23クリスマス・オルガンコンサート2022

ロマン派作曲家ベリエのエネルギッシュな「トッカータニ短調」でスタート、続いて冨田さんもお好きだというパッヘルベルの「シャコンヌヘ短調P.43」。柔らかい響きが心地よく、隠れた名曲といわれていることに納得。続いては「アヴェ・マリア」「ピエ・イエズ」「オンブラ・マイ・フ」というよく知られた三曲でクリスマス気分が盛り上がります。
いよいよ後半はバッハの名曲を五曲。パイプオルガンの多様な音色の世界を堪能しました。
アンコールはパガニーニの作曲方式で作曲されたというコラール前奏曲「いと高きところには神にのみ栄光あれ」で締めくくり。クリスマスムードが盛り上がるギュッと詰め込まれたような濃密な時間でした。
日常から離れパイプオルガンの音色を満喫できる60分、お求め易い料金で足を運んでいただきやすい公演です。ぜひ一度足をお運びください。    

チケット・パンフレット

2022.10.31

10/27(木) まるフェス 木管三重奏の夕べ

参加された皆様には可愛いコスモスのお花をプレゼント

左から福田淳さん、國府利支恵さん、蔭山晶子さん

今年の「まるフェス」コンサートは、Sion(オオサカ・シオン・ウインド・オーケストラ)からオーボエ:福田淳(ふくだきよし)さん、クラリネット:蔭山晶子(かげやまあきこ)さん、ファゴット:國府利支恵(こうとしえ)さんが来てくださいました。
プログラムはバッハ『シンフォニアより』、宮川成治『駅猫diary』、高橋宏樹『3つのわらべうた』、トマジ『田園のコンセール』など。以前、まるフェスコンサートで『春の海』を聴いたときにも思ったのですが、木管三重奏が醸し出す、木の温もりを感じられる音は、抒情的な曲調ととても相性が良く、心に沁みます。今回は誰もが知っている童謡『かごめかごめ』、『夕焼け小焼け』、『七つの子』が編曲された『3つのわらべうた』で、木管三重奏の趣が顕著に感じられました。
曲間のトークでは、曲想から浮かび上がる情景を想像しやすいような解説をしてくださいました。駅のプラットフォームを気ままにウロウロする猫やロールプレイングゲームの画面などを頭に思い浮かべながら鑑賞できるのも、家庭的な「まるフェスコンサート」のいいところです。

To top