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2024.03.12

あべのハルカス美術館「円空」

あべのハルカス美術館で開催中の「円空」展へ行ってきました。会員の方からの問い合わせも多い、注目の展覧会です。
円空は、江戸時代の美濃国(現在の岐阜県)に生まれました。幼い頃に母を亡くして仏像を彫り始め、出家してからも人々の救済のために12万体彫ることを目標にしたと言われています。今回特に印象深かったのが、第4章「祈りの森」。円空が50代の頃にたびたび滞在した飛騨・千光寺に遺された仏像が展示されています。1つの胴体に2つの顔がある「両面宿儺坐像」。『日本書記』によると、「宿儺(すくな)」は大和朝廷に従わず滅ぼされた飛騨の豪族ですが、地元の人々には悪鬼を倒した英雄で千光寺を開いたとも言われています。ずらりと並ぶ「観音三十三応現身立像」は、当時病人が出た家に貸し出されていたとか。そのうち2体が今も戻らず、31体が展示されていました。一見同じような形ですが、よく見ると一つずつ表情が違い、慈愛に満ちた円空のまなざしが伝わってきます。
10年以上前、私は「円空仏」に会いに飛騨・千光寺を訪ねました。市街地から車で約20分、急な山道を登った先にある円空仏寺宝館の入口に、立木に彫られた荒々しい仏像が置かれていました。圧倒されるとともに、振り返ると雄大な北アルプスの山々がそびえていて、清々しい気分になったことを覚えています。
展覧会は4月7日(日)まで。朝日友の会会員証提示で1人のみ半額になります。

存在感ある「両面宿儺坐像」

優しい表情の「観音三十三応現身立像」

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