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2023.10.06

美術館「えき」KYOTO 「芭蕉布 人間国宝・平良敏子と喜如嘉の手仕事」

南の島、沖縄。那覇空港に到着すると、有名な沖縄民謡「芭蕉布」がよく流れています。のびやかで美しい歌声に気持ちが和らぐ人も多いのではないでしょうか。今回、この曲と同じ名前の展覧会が美術館「えき」KYOTOで開催されています。
芭蕉布は、琉球王国時代から衣服として王族や庶民に愛されていました。生地の軽さなどから高温多湿な沖縄にはなくてはならないものでした。そして戦後、衰退しつつあった芭蕉布を復活させたのが、後に人間国宝となった平良敏子さん(1921〜2022)。展覧会では彼女の思いと作業工程を知ることができました。
まず糸芭蕉の木を育てて、茎の皮を剥ぎ繊維をとる。糸にして織り色を染める。繊維はとても繊細で扱いが難しく、複雑な作業を繰り返します。染料は植物からで、主に沖縄藍の青色と福木(フクギ)の黄色。街路樹や生垣としてなじみ深いフクギからこんな鮮やかな染料が取れるのかと驚きました。そして、この青色と黄色を混ぜて作る緑色も上品で美しい。平良さんが考案した鳥の図柄は、民藝運動を主導した柳宗悦が「生きているよう」と称えましたが、まさにその通りでした。
薄くハリのある生地はよく風を通して、沖縄の夏を過ごしやすくしてくれそうです。古い沖縄の家で、暑い夏の日に縁側に座って「芭蕉布」の曲を聴きながら過ごしたい、と南の島に思いを馳せました。
展覧会は10月29日(日)まで。朝日友の会会員証提示で4人まで優待料金に割引となります。

美術館「えき」KYOTOで開催中

琉球王国時代の士族の礼装

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