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2021.10.26

新歌舞伎座10月公演 『酔いどれ天使』

アサヒメイト9月号でご案内した舞台『酔いどれ天使』。黒澤&三船コンビによる有名作ですが、実は映画の『酔いどれ天使』を観たことがなく、全く前知識なしでの鑑賞でした。
なるほど!「酔いどれ天使」とはこういうことか、と。従来から白衣のイメージと相まって、医療従事者を「天使」と表現することがよくありますが、個人的に知っている医療従事者は「天使」のイメージとは程遠い人が多く、失礼ながら「一体どこが天使なんだか」なんてことを思ったりもします。
結局、傷ついた人にとっては、清廉潔白な存在ではなく、自らに寄り添ってくれる存在が救いになるということなのでしょうか。
舞台上には煌びやかなスターが勢揃いしていましたが、薄暗く退廃的な時代背景の中、どうにか希望の光を見出そうと藻掻く人たちの人間模様が見事に描かれていました。特に高橋克典さんの絶妙に丸まった背中のラインに、『酔いどれ天使』の世界観が表れていたように感じます。

インパクトのあるポスター

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